Tuesday, March 1, 2016

0069 イノベーションの神話 Scott Berkun ★★


本書は、イノベーションにまつわる様々な「ありがちな誤解」について説明している本です。著者はマイクロソフトで長らくエンジニアを務めた後でフリーになった著述家です。

例えばその誤解とは

  • イノベーションのアイデアはヒラメキによって生まれる
  • ヒラメキは一人のアイデアマンによって生み出される
  • 人は新しいアイデアを好む
  • 優れたイノベーションが受け入れられる
  • 上司は優れたアイデアを評価する


といったものです。おそらく今これを読んでいる多くの人も、イノベーションに関するこれらの認識を、はっきり「誤解だ」と言われると、違和感を覚えるのではないでしょうか。はい、僕自身も実はそうだったのですが、本書を読んでみると著者の指摘に納得せざるを得ないんですよね。この本を読んで、僕自身もイノベーションという営みについて、なにか根本的な勘違いをしていたんだということがよくわかりました。

今日、多くの企業においてイノベーションは最重要な経営課題と位置付けられていますが、イノベーションの発生や形成について、本書が指摘するような誤解に囚われたままであれば、イノベーションは覚束ないでしょう。そもそも達成しようとしているゴールの認識が間違ってるってことになりますからね。

本書は、イノベーションについて何らかの具体的な方法論を提示しているわけではありません。そもそも「イノベーションの具体的な進め方がある」という考え方自体を「誤解である」と指摘しているくらいです。そうではなく、そもそもイノベーションとは何なのか?過去のイノベーションはどのようにして起こったのか?という論点について考察しています。そしてこの考察から、一般に言われているイノベーションに関する命題の多くが誤解であること、本当にやらなければいけないのは組織や人のありようについて目を向けることだ、という示唆が得られます。

ここまで読んで気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、僕が2013年に著した『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』は、この本にインスパイアされて書いた本なんです。イノベーションに関心を持っている人であれば、ぜひ手にとってほしいと思います。

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