Saturday, March 5, 2016

0068 本質を見抜く「考え方」 中西輝政 ★★★


著者の中西輝政先生は国際政治学者、歴史学者で歴代内閣のブレーンもつとめてきた方です。専門は欧州の外交史で、先生の著作を読んでいると外交上の駆け引きをベンチマークして得られた知恵がたくさん出てきます。

本書は、著者の中西輝政先生が、研究生活の中で培ってきた「一見もっともらしく見える他人の判断や見解に惑わされることなく、自分の力で考える」ためのエッセンスを、53にまとめて紹介している本です。この53のエッセンスが、どれもせいぜい2〜3ページに簡潔にまとまっているのですが、本当に示唆深いのです。僕は2014年に『外資系コンサルの知的生産術』という本を出しているんですが、そのうちのかなり部分が中西先生の受け売りになっています。例えば、

考え方02 敵をはっきりさせる
考え方04 必ず言葉にしてみる
考え方05 自分なりの仮説を立てる
考え方07 最初に得た直感を思い返す
考え方10 動あれば反動あり
考え方20 逆説を愛する
考え方39 ふと浮かんだ疑問を封じ込めない
考え方41 論理の正しさに惑わされない
考え方44 全員一致はまず間違いと心得る

などは、ほぼそのまま中西先生の主張を繰り返しています。 

浅薄な思考スキルの本ではありませんから、読んですぐに明日の仕事から活かせるというようなものを期待してるとがっかりします。むしろ、中には「宙ぶらりんに耐えろ」とか「世と人は元来うまくいかない」といった、身も蓋もない指摘もあって、じゃあどうしろって言うんだよと思わないでもないわけですが、一方で、こういう諦めこそが一つの教養なんだと考えると、滋味が出てくるように思います。

自分の力で考える、自分の意見を持つということについて問題意識を持っている方であれば、きっと多くの洞察が得られると思いますよ。


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