Tuesday, March 1, 2016

0055 新ネットワーク思考 世界の仕組みを読み解く アルバート・ラズロ・バラバシ ★★



ずいぶん前に読んだ本で、アルバート・ラズロ・バラバシの名前も昔から知っていたのですが、この原稿を書くにあたってあらためて調べてみたら構造物理学者という肩書きなんですね。そういう学問領域がある?んでしょうか。あんまりイメージがわきませんが、それも本書を読めば仕方がないかなという気がします。

この本、一言でいえば「ネットワーク」に関する本なんですが、扱っている問題は社会、企業、細胞など、ミクロからマクロまで思いっきり振れます。世の中にあるものでネットワークと関わりを持たず、ネットワークから影響を受けないでいられるものはない。だからネットワークに着目することで、対象となるものの性質や振る舞いをより深く理解できるようになるというのがバラバシの主張で、全くその通りだと思います。

本書が出版されたのは十年以上前のことなので(出版は2002年)、ネットワーク理論における最新の知見をわかりやすく解説してくれる、という本書の売り文句について「最新」という部分は多少割り引いておく必要がありますが、わかりやすいという部分については今でもこれを超える本はなかなかないように思います。

じゃあ普通のビジネスパーソンがネットワーク理論を学ぶことにどんな意味があるかというと、二つあるように思います。

一つ目は、世の中にいろんなサービスや商品が広がっていくのは、ネットワーク理論の枠組みによって説明できるので、マーケティングや事業戦略を考える際の示唆をたくさん与えてくれるという点です。

二つ目は、組織変革や企業風土改革の局面でも、ネットワーク理論の枠組みは有用な示唆を与えてくれるという点です。ネットワークに所属している人の態度と、その態度に影響を与える情報をどう流通させるか。人の態度は情報量の多寡よりも情報の構成比=シェアによって決まることがスタンレー・ミルグラムの実験から分かっていますが、これもまたネットワーク理論の枠組みで考えるととても解りやすい。

マーケティングや組織開発・設計、企業風土改革などに関わっている人であれば、いろんな気づきを与えてくれる本だと思いますよ。


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