Friday, March 4, 2016

0047 大人のための偉人伝 木原武一 ★★



偉人伝といえば、子供向けの読み物というのが一般的な認識かと思います。しかし、著者の木原さんは「大人こそ偉人伝を読むべきではないか」と指摘します。僕もその通りだと思います。偉人伝のほとんどは、世のため人のために献身的に尽くしたという生涯の物語ですが、その生き様を知ることで得られる刺激は、無邪気な子供よりもむしろ、そのように生きることがどれほど難しいことなのかを肌身に染みて知っている大人の方が大きいと思うからです。

本書で紹介されているのはシュワイツァー、ヘレン・ケラー、リンカーン、ガンジー、ナイチンゲール、キュリー夫人、エジソン、カーネギー、野口英世、二宮尊徳の十名です。読んでみれば各人のエピソードから色々と考えさせられます。

30歳を過ぎてから医師になる決意をしたシュワイツァー、悪妻に悩まされ続けたリンカーン、極端に内向的で見知らぬ人とは話せなかったガンジー、人脈と政治力を駆使して看護システムを構築したナイチンゲールなどなど・・・・

これは木原武一さんによる『天才の勉強術』でも指摘したことですが、本書の美点として「押し付けがましくない」という点があると思います。子供の時に読まされた偉人伝について、多くの人は「どことはない胡散臭さ」を感じられたのではないでしょうか。少なくとも僕はそうです。説教くさいんですよね・・・何かこう、騙そうとしているんじゃないかと構えさせるようなところが、子供向けの偉人伝にはあったように思います。そういう、詐欺師がニタニタしながらにじり寄ってくるようなところが、本書には全くないんですよね。淡々と偉人のエピソードを記述しながら「これはすごいよね」とまとめてしまっている。この淡々とした感じが、本書を「大人向け」の読み物として成立させていてる最大の美点ではないかと思います。

自分の人生の来し方、これからの行き方について考えない人はいない大人はほとんどいないでしょう。本書は、そのような人にとっていろんな気づきやヒントをあたえてくれる本であると思います。

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