Tuesday, March 1, 2016

0038 石橋を叩けば渡れない 西堀栄三郎 ★★★



僕がまだBCGに在籍していた時期に、当時東京オフィスの顧問をされていた内田和成さんが、私費で賄ってBCG東京オフィスのコンサルタント全員にプレゼントしてくれた本です。この本があまりにも面白かったために、その後、かなり専門的な統計的品質管理の教科書まで含めて西堀先生の著作はだいたい読みましたが、やはり和成さんのチョイスというべきか、この本が一番面白い・・・というか西堀エッセンスが濃いと思います。

著者の西堀栄三郎は東芝の技術顧問をやりながら南極越冬隊の隊長をやったりと、破天荒な人生を送ったことで知られていますが、そういった幅広い体験から得られた「マネジメントの極意」「リーダーシップの本質」が本書に記されています。僕は2013年にイノベーションに関する書籍を出していますが、本を書くきっかけとなったもともとの問題意識も本書の指摘に基づいています。

創造性開発というのは、二面から考えるべきであろう、と私は思っております。
ひとつは、本人というか創造性を実際に出す、創造能力を発揮する立場の人で、発案者とでもいうべき人。もうひとつは、それをとりまくところの環境とでもいうふうな、上役、同僚という人たちのかもし出すムード問いう問題です。つまり、本人と環境、この二つを分けて考えています。とくに、今まで各方面の委員会、研究会などというところで検討された問題は、どうも発案者本人のことだけに関係の深いことが多いようです。むしろ、環境的な問題こそ非常な重要性を持ちます。(同書p156-157より)

西堀先生ならではの、朗らかな日本語でさらりと書かれていますが、内容に非常な重要性があることは感じていただけると思います。こういう「ハッ」とさせられるような指摘が、そこかしこにある本です。読み物としても面白いので、リーダーシップ、問題解決、組織の創造性といった領域について関心のある人であれば、きっと何か得るものがあると思います。

No comments:

Post a Comment