Tuesday, March 1, 2016

0032 W.A.モーツァルト『交響曲40番』 カール・ベーム+ベルリンフィル ★★



モーツァルトの交響曲40番です。指揮はカール・ベーム、オケはベルリンフィルです。モーツァルトの代表作といってもいい交響曲ですから、この曲にはカラヤン、アーノンクール、ブリュッヘンと名盤がたくさんあるのですが、僕は個人的にこの盤が一番好きです。

モーツァルトというと子供のときから天才で、若いときからどんどん傑作をものにした、というのが一般的なイメージですが、これは必ずしも間違いではないものの正確とは言えません。モーツァルトの作品は、晩年になればなるほど作り込みが複雑になってクオリティが高まる明確な傾向が、やっぱりあります。最初期の交響曲なんて研究者以外、誰も聴いていないでしょう?いくら天才でもやっぱりキャリアの一番最初の作品は大したことないんです。

こちらはベーム+ウィーンフィルによる動画です。とても地に足のついた演奏ですよね。このしっとりとした枯淡の味わいになれてしまうとブリュッヘンやアーノンクールの演奏が飛び跳ねちゃってように感じられると思います。

Mozart Symphony No.40 Karl Bohm Wien Philharmoniker Orchestra


この交響曲四十番は、ちょっと不可解というか・・・聴いている側が戸惑うほどに「これでもか」というほどに高度な作曲のテクニックが注ぎ込まれていて唖然とさせられます。対位法という、各楽器がバラバラにメロディを奏でながら、同時に弾かせるとそれがハーモニーになっているという、それはまるでアラブの細密画の様に、モアレを起こすくらいに精密な書かれ方をされています。

恐らく死期の近いことを悟った本人が、自分の持てるテクニックの集大成として書いたという側面が強いのでしょう。聴けば聴くほどに作り込みの深さに驚かされ、スコアを読むとさらに度肝を抜かれるという、そんな作品です(って全然解説になってませんが)。

これはベートーヴェンやシューマンなんかもそうなんですけど、キャリアの最後の時期に書かれた大作曲家の作品って、ふっとした瞬間にちょっとゾッとするような怖さというか、本当にありありと「彼岸」を感じられるようなところがあって、この作品にもやっぱりそういう、ちょっとゾッとするようなところがあると思います。

No comments:

Post a Comment