Tuesday, March 1, 2016

0029 君主論 ニッコロ・マキアヴェリ ★



著者のマキアヴェリは十六世紀フィレンツの外交官僚・政治思想家です。彼は外交を通じて、いろんな国の「強い君主」について見聞きし、それらの見聞から「強い君主とはこういうものだ」という定見を持つに至り、この本を記しました。

四百年以上前、つまり日本では江戸時代初期に当たる時期に書かれた本ですが、内容はとてもわかりやすく、現在においても十分に読む価値がのある本だと思います。本書が提唱している「君主、かくあるべし」という指摘の中で、最も重要で、かつ最も反論を受けそうなのが「いい人でいたければ強いリーダーにはなれない」という主張でしょう。

平たく言えば「愛されるリーダーになるより、恐れられるリーダーになれ」という指摘で、サーバントリーダーシップや静かなリーダーシップがポジティブに語られる現代の空気の中では、なかなか声高に主張しにくい考え方です。僕自身としては、恐れられるリーダーの下で働きたいとは思わないし、自分が恐れられるリーダーになろうとも思うわないので、マキアヴェリのこの指摘については全く役に立たないというか、自分の人生にとってあまり参考にはならなかった、というのが正直なところです。

じゃあなんでここで紹介しているんだよ?と思われるかも知れませんが、それはやっぱり、本書の指摘に一抹以上の真理があるなと思わせるからです。個人的な好き嫌いで言えば、マキアヴェリの「憎まれることを恐れていてはリーダーになれない」という主張は好きになれませんが、ではということで歴史を振り返ってみれば・・・ポンペイウス、カエサル、イエス、坂本龍馬、ガンジー、キング牧師、J.F.ケネディ、織田信長などなど「殺されたリーダー」は枚挙に暇がないことにもまたすぐに気付きます。

慕われると同時に恐れられ、忌避されるのが本当のリーダーなのかも知れない、嫌われることを恐れていては、本当のリーダーにはなれないのかも知れないという示唆を与えてくれる本です。管理職やチームリーダーとして、人を率いる立場に立っている人にとって、答えを与えてくれるとは言わないまでも、考えるべき洞察を色々と与えてくれる本だと思います。

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