Tuesday, March 1, 2016

0022 戦略サファリ ヘンリー・ミンツバーグ他 ★★


この本、題名がマズイんですよね。『戦略サファリ』って、原題に忠実に翻訳したってことなんでしょうけど、まったく内容のイメージがわきません。で、僕自身も随分と長いこと積ん読していたのですが、ある日手にとって読んでみたら、無茶苦茶面白い。

この本、非常にシンプルに内容をまとめれば、様々な経営戦略論を十の流派に分けて、それぞれが生まれた経緯と考え方を解説している本なんです。経営戦略論の名著と言われる本の多くは大変かたよったモノの考え方をしています。本書を読むことの最大のメリットは、それらの名著の主張を相対化できるということだと思います。

経営学をなんのために勉強するのかと言ったら、ほとんどの人は実際に自分が携わっているビジネスを成功に導きたいと思っているわけですよね。実際のビジネスにおける場面場面でクオリティの高いプランニング、クオリティの高い意思決定をしたいと思っているわけで、であれば、経営戦略論についても色々な考え方があるのだということを知っておいたほうがいいと思うのです。

経営戦略論にいろんな流派がある、というのは医療における治療法に内科的アプローチや外科的アプローチ、あるいは漢方や心理学的なアプローチがあるということを知っている医師と、とにかく全ての疾患を外科的に処置しようとする医師とで、どちらのほうがクオリティの高い医療サービスを提供できるかということを考えてみればわかり易いように思います。

こういった相対化をするにあたって、本書は沼上幹先生の『経営戦略の思考法』と並んで最も有用な本だと思います。個人的には、ポーターやバーニーの原書に当たる前に、まず本書を読んでおくといいとアドバイスしたい。それら名著の生まれた経緯や寄って立つ思想的な背景について知っておくことで、より理解が深まるし、名著のドグマに絡め取られてしまうことを防げるように思います。

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