Tuesday, March 1, 2016

0008 組織行動のマネジメント スティーブン・P・ロビンス ★


欧米のビジネススクールでは組織行動論の定番の教科書です。僕自身も様々な組織行動論の本を読んできましたが、深さはともかくとして、内容の網羅性と簡潔性について本書は最も優れたテキストだと思います。

組織行動論と聞くと営業やマーケティング、あるいは生産や物流といった領域に携わっている人からは「自分にはあんまり関係ないな」と思うかも知れませんが、そんなことはありません。僕が知る限り、組織行動論はほとんどのビジネススクールで必修科目になっています。これは大学側として「どんな職種・業種であっても組織行動論は有益である」と思っているということです。僕もその通りだと思います。

組織行動論は、組織の内部における人の行動や心理、例えば動機付けや意思決定、果てはリーダーシップの形成について研究する学問です。つまり、部下を持つ人であればどんな人にとっても、学ぶことで有益な示唆がある学問だということです。

で、本書なのですが、率直に言って最初から最後まで読み通すのは相当に苦痛です。組織行動論についての様々なトピックについて、網羅的に解説しているのですが、一つ一つの項目についてはそれほど深堀していないため、なんというか・・・辞典を読み進んでいくような味気なさを感じることになります。ですから本書については、最初から最後まで読了する本というよりも、必要に応じて関連するトピックを拾い読みしていく、という読み方でいいと思います。

これは往々にして勘違いされているんですけど、そもそもビジネススクールの定番の教科書というのは、要するに「初学者向けのテキスト」ということですから、その筋の専門家からすると内容的にはアッサリしていることが多いんですよね。本書もその例外にもれず、組織行動論のトピックについては網羅的に扱っていますが、内容的にはそれほど深くはありません。ただし本書が素晴らしいのは、各項目について、さらに深く学びたい人向けに関連領域の専門書の推薦があるということです。まさに教科書ということです。


まとめれば、本書は組織行動論に関する初学者向けの「事典」ということになります。組織行動論の主要項目が網羅的にカバーされ、各項目について簡潔な説明と、さらに深く学びたい人の為の専門書が提示されています。ということなので、必ずしも通読の必要はなく、個別に疑問がわいたときに、必要に応じて関連項目を読むというのが正しい使い方かと思います。

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