Tuesday, March 1, 2016

0004 経営戦略の論理 伊丹敬之 ★★★



有名なマイケル・ポーターが属しているポジショニング学派では、企業の収益は「業界の構造や自社の立ち位置」によって決定される、という明確な立場をとっています。

一方、企業の収益は業界の構造や競争関係ではなく、「あくまで自社の能力」に左右される、という考える学派もあります。この様な立場をとる学派は「リソースベースビュー」と言われています。代表的な経営学者はJ.B.バーニーですが、競争力の要因を企業内部に求める立場ということで考えれば、例えばプラハラードが提唱した「コアコンピタンス」という概念もリソースベーストビューの枠組みに基づいていると言えるでしょう。

そして、当然のことながら、この二学派はとても仲が悪いんですよね(笑)。お互いがお互いの論考をけなし合っているのですが、でも実務家の立場からすれば企業の収益は「自社の能力」と「業界構造や自社の立ち位置」の両方によって決まるわけで、そんなの「どっちも大事」としか言いようがないですよね?

といことで、ここで伊丹先生による本書籍の話になるのですが、この「経営戦略の論理」は、周囲の環境と自社の能力を整合的に論理的に組み合わせて考えることが重要だと説いている点で、リソースベーストビューとポジショニング論を包括する様な論理展開を行っています。一つ一つの論理展開はとてもシンプルで理解しやすいものです。

そしてその論理展開に用いられる事例の多くが日本企業のものなので、日本人には皮膚感覚として理解しやすいという面もあります。経営戦略について、その「思考方法のエッセンス」を汲み取りたいというのであれば、本書は最も適したテキストだと僕は思っています。

No comments:

Post a Comment